都心から、山の大自然での暮らしへシフトし、素敵なサスティナブルライフを満喫されている素敵なご夫婦へインタビューさせていただきました。
都心勤めから山の中、森のバイオリン工房へ
お話を伺ったのは、森の中のバイオリン工房でバイオリンや弦楽器の制作をされているTさんご夫妻。
実は、Tさんは都心で長年会社勤めをされていた方。定年後に長野の山、大自然の中での暮らしへと移住されたご夫妻です。
ご夫妻の現在の住居は、お勤めをされている時に購入されました。ただ、購入当時、移住、永住にはだいぶ手を加える必要があったため、週末に車で資材を積み、コツコツとDIYをされ、定年後お住まいになりました。
バイオリン工房の夢と自然の中でのんびり暮らしたいという希望を長年コツコツと準備し、サスティナブルライフを叶えられました。
Tさんは手作りのバイオリン工房を作り、現在、バイオリンやビオラ、ウクレレ、ミニチュアバイオリンなどの弦楽器の制作をされています。全て手作業によるオリジナルのため、制作には多くの時間がかかります。(バイオリンは完全オーダーメイド。)
ページ冒頭の薪ストーブ前の画像は制作途中のミニチュアバイオリン。ちゃんと音がなるのだそう。
上下の写真は、制作途中の白木のバイオリン。
自作の棚やテーブルに本格的な工具が並びます。工具後ろの窓の向こうは静かな森の景色です。
作業部屋の隣の部屋には自作のもの、制作途中のもの、乾燥中のものなど、たくさんの弦楽器が壁や天井に吊るされています。可愛いウクレレも並んでいます。
元々、バイオリンがきっかけで出逢われたお二人。現在もご夫婦でバイオリンを弾かれ、時折、オーケストラへも参加されています。Tさんはウィーンの有名音楽会場での演奏にも参加されたご経験もお持ちです。
冬は薪ストーブ、夏はエアコンいらず
冬は薪ストーブが主な暖房です。
暖炉と違い筒状の煙突がむき出しの薪ストーブはその煙突から出る熱で部屋中を暖めてくれます。特に暖かさが上に行くため、2階はとても暖かくなるのだそう。
遠赤外線の効果もあり、薪ストーブでの調理はじっくり火が入り、煮込みなどの料理を美味しくしてくれます。また、薪の燃える炎の様子はリラックス効果もあります。
夏は森の風が涼しく、エアコンは一応あるものの、ほとんど使ったことがないのだとか。都会の蒸し暑さとは別世界ですね。
自然の中の生活、最初は大変だった!?
森のサスティナブルライフに憧れる都心の人にとっては、薪ストーブや暖炉は憧れの暖房と思いますが、Tご夫妻も最初は苦労されたそう。
実は、Tさん宅には最初、薪ストーブは設置されておらず、石油ストーブやヒーターを使っていましたが、大きな吹き抜けのある家全体を温めるには光熱費がかかりすぎていました。
そこで、工事を頼み、吹き抜けをなくし、薪ストーブを設置すると、家全体が温まるようになりました。しかし、Tさんがバイオリンで木をつかているからといって、余った木でストーブ用の薪が補える訳ではありません。薪ストーブ設置当初、薪をトラック1台分購入していましたが思ったより薪の消費は多く、費用が嵩むと感じていました。
そこへ、地元の廃材や倒木の作業を手伝うようになり、それを薪としていただき、有効活用することになりました。
ただ、切り立ての木は水分が多く、薪に向いておらず、1年以上よく乾燥させるために薪小屋も作られました。
木は重さもあり、薪割りが結構な重労働。また、薪ストーブを設置する場所は、熱に耐えられるための工事も必要。薪をくべるのは手動。と言った、手間のかかる部分もあります。
壁にかかったバイオリンにも薪ストーブの灰が…。
しかし、このポカポカした優しい暖かさと炎の揺らぎによる癒し効果は大きいです。癒されますね。
石油ストーブやヒーターよりも家全体が温まる。お湯を沸かすのも魚や肉を焼くのにもストーブを使う。ここの冬の生活にはかかせない暖房なのだと話していました。
また、暖房以外も、最初は雪かきや凍結などで色々な苦労も多かったそう。冬場の扱いがまだよくわからない頃は、水道管やガス管が故障したり、家の中にヤマネなどの小動物が侵入したり等、驚いたことも多かったそうです。
都会よりも地球に優しいゴミの捨て方
こちらへ来て、都会と違うと感じた一つが、ゴミの捨て方だったそう。市販のゴミ袋は使えず、市から出されているゴミ袋を購入。そして、種類も細かく分けられています。
ここは、決まった曜日にゴミ収集車が来る訳ではなく、集積場所へゴミを自ら持っていく形式。
移住後、設置したコンポスト。生ゴミはこの中へ入れ、やがて土に帰り、畑の肥料に役立ち便利。コンポストのフタを開けてくれる気さくなTさん。
日常生活のフードサイクルが地球に優しい
残った食べ物が土にかえる。そして、新しい食べ物が育つ。これは、都会のマンション暮らしでは無理な、自然の土の力による地球に優しい純粋なエコサイクルですね。
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